ノマドランドで米アカデミー賞受賞のクロエ・ジャオ!その経歴と他の作品は?

2021年4月25日夜に第93回米アカデミー賞授賞式が行われ、クロエ・ジャオ監督(39)の「ノマドランド」が作品賞と監督賞を受賞しました。

クロエ・ジャオ監督の受賞は、2009年にキャスリン・ヒグロー監督が「ハート・ロッカー」で女性で初めて監督賞を受賞して以来11年ぶり、アジア人女性として初めての出来事です。

今回はそんなクロエ・ジャオ監督のこれまでの生い立ちや、「ノマドランド」以外の他の作品をご紹介します。

「ノマドランド」が作品賞・監督賞・主演女優賞の三冠獲得!

クロエ・ジャオ監督に迫る前に、クロエ・ジャオ監督の代表作となった、第93回米アカデミー賞最多三冠を獲得した「ノマドランド」についてご紹介します。

もともと、「ノマドランド」は第93回米アカデミー賞以前から、現地ジャーナリストや賞レースに熟知した映画批評家から高い評価を受けており大本命とされていました。

というのも、世界中がコロナ禍の2020年において、ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞、トロント国際映画祭では観客賞を獲得するなど、両映画祭にて最高賞を制覇するという史上初の快挙を達成。

それだけでなく、ボストン批評家協会賞をはじめ、ニューヨーク映画批評家協会賞や全米映画批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞など数々の映画賞を総なめし、2020年の映画界を席巻しました。

また米アカデミー賞の前哨戦と言われる英国アカデミー賞でも作品賞・監督賞をはじめ4冠を獲得していることから、第93回米アカデミー賞では大本命作品として候補に挙げられていました。

「ノマドランド」のあらすじは?

ではここで、簡単に「ノマドランド」のあらすじについてご紹介します。

2008年に起きたリーマン・ショックによる大企業の倒産で長年住み慣れた我が家を失ってしまった、米国・ネバダ州で暮らす60代の女性の主人公。

長年の思い出などをすべて小型キャンピングカー詰め込み、各地を転々としながら「ノマド」(放浪民)と呼ばれる車上生活を送ることになりました。

国立公園での清掃や、レストラン、荷物の梱包作業など主人公が従事する仕事は様々。

そういった過酷な季節労働の現場を渡り歩き、車中生活のため極寒の中で夜を過ごしたり、病気や犯罪などの危険な状況が起こりうる中でも、懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ねるといった、現代社会の問題点である「格差社会」を感じさせる社会派ストーリーとなっています。

しかし、そのような中でも「自由の国・アメリカ」を思い起こさせる情景の美しい移り変わりや、生活をコントロールする主人公や他のノマドの民の様子をほっこりする気持ちで見られるのも見どころの一つ。

ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

クロエ・ジャオ監督の経歴とは?

さて、2020年の世界の映画界の話題を独占したクロエ・ジャオ監督。

そんな彼女の経歴をご紹介します。

クロエ・ジャオ監督は1982年中国・北京市で生まれ、現在はアメリカで活動する39歳です。

共産主義の中国ですが、彼女はヨーロッパの大衆文化に興味や憧れを抱き、14歳で英国・ロンドンの寄宿学校に通った後、アメリカに渡りロサンゼルスの高校を卒業しています。

そして、アメリカ最古の女子大であるマウント・ホリヨーク大学で学び、政治の学士号を取得。

大学を卒業後は、バーテンダーや不動産のプロモーターとして働き、ニューヨーク大学ティッシュ芸術学校で映画製作を学びました。

また、ある日本の特別番組のインタビューで日本の漫画好きとのエピソードを語ったこともあり、一番のお気に入りのマンガは「幽☆遊☆白書」なのだとか。

「幽☆遊☆白書」での好きなキャラクターは「蔵馬」を挙げており、ご本人も高校時代に「蔵馬」と呼ばれていたエピソードもあるほどです。

しかし、イギリス、アメリカといった西洋で教育を受けたクロエ・ジャオ監督と共産主義の母国・中国の関係はどうやら複雑なものがあるようです。

過去のインタビューでは、中国の暮らしについて「嘘だらけ」と語っていたり、「若い時に受け取っていた情報は真実ではなかった。家族や自分の出自に対して反抗的になっていった」とも語っています。

また中国国内でも、検閲に厳しい中国当局が国内のSNSなどで「ノマドランド」に関する反応を検閲していると言われており、中国での公開されるのかは疑問視されているようです。

クロエ・ジャオ監督の他の作品は?

クロエ・ジャオ監督はこれまでに短編映画を含めると7本の作品の監督を行っているようです。

これまでのキャリアとしては、2010年に短編映画「Daughters」がパームスプリングス国際短編映画祭で学生短編映画賞、シネクエスト映画祭で審査員特別映画賞を受賞。

2015年には、自身初の長編映画となる「Songs My Brothers Taught Me」がカンヌ国際映画祭の監督週間に上映されたり、第一回インディペンデント・スピリット賞で作品賞にノミネートされています。

躍進は続き、2017年、ロデオで生計を立てていた男性が致命的な怪我を負った西部劇のような作品「ザ・ライダー」を監督し、カンヌ国際映画祭の監督週間で芸術映画賞を受賞しました。

そして「ノマドランド」の盛況は前述の通りとなっており、今後はアンジェリーナ・ジョリーさんなどが出演予定のマーベル・シネマティック・ユニバースの「エターナルズ」でも監督を務めており、2021年中に公開予定となっています。

クロエ・ジャオ監督の今後

フィクションとドキュメンタリーの境界を曖昧にし、ノマド民の渡り歩く姿を描いた「ノマドランド」で2020年の世界の映画界を席巻したクロエ・ジャオ監督もまだまだ39歳。

今後はますます人気映画監督となりハリウッドのトップランナーとして、アジアをいや世界を代表する映画監督として私達を楽しませてくれるでしょう。